集合住宅でのトラブルとしては最も多い
賃貸アパートや分譲マンションなど、集合住宅で起るご近所トラブルとして最も件数が多いのが音に関するケースです。
騒音トラブルとしては「自動車・バイクのエンジン音」「ペットの泣き声」「人の会話や足音」といったものが非常に多く、自分と同じ建物に生活をしている人由来のものが圧倒的に目立ちます。
しばしばニュースなどで伝えられる殺傷事件の中にはこうした騒音トラブルが原因になっているものもあり、こじらせてしまった場合に深刻化しやすいという特長があります。
なぜ騒音トラブルが深刻化しやすいかというと、それは水漏れなどの設備の故障と異なり、心理的な影響が大きいためです。
私達はまぶたを閉じるように自分で耳を塞ぐことができませんので、普段生活をしているとどうしても周囲の音が聞こえてきます。
この音は気持ちが平穏なときならばなんとも思わないものも、何らかの原因で神経が過敏になっていたり別のことでイライラしていたりすると非常に大きく感じられ不愉快な気持ちになってしまいます。
実際にご近所トラブルとして起る騒音問題は工事現場や交通騒音のような大音量であることは少なく、よく聞いてみれば気になることもあるという程度のものであったりします。
裏返せば生活騒音が問題になるのは住民同士に何らかの諍いがあり、お互いに対して持っている悪いイメージがますます問題を大きくしているということになります。
孤独や孤立が騒音トラブルの裏側にある
全てがそうだとは言いませんが、集合住宅における騒音トラブルの多くは住民の孤独や孤立が裏側にあります。
自分が世間から孤立していると感じている人にとっては、周囲の賑やかな声や足音というのは不愉快に感じられるものです。
生活音を出している人にとっては全くそんなつもりはないのに、周囲で生活をしている人にとっては「自分の幸せを見せびらかしている」かのように感じられてしまい、それがお互いの許容をしにくくします。
騒音トラブルが難しいのは最初は加害者であった人が逆に被害者になったり、被害者が加害者になったりすることも多いということです。
騒音を注意されたことで逆ギレをして自分も騒音を出すようになり、それがエスカレートして殺傷事件に発展するというような事件もあります。
子育て中の家族が周囲から騒音を指摘されたために萎縮をし、子供が部屋の中で自由に遊ぶことができなくなってしまったというようなこともあります。
騒音トラブルは我慢をしすぎているとそれが鬱積し、一気に大きな事件として吐き出されてしまうということが多いのも特長です。
もし自分が近所の音をうるさく感じたならまずは管理会社に相談をして客観的な解決方法を早めに探していくようにしましょう。
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