投資物件の選定時に必要な指標
不動産投資を始めるに当たり、物件を選別するための重要な指標となるのが「キャッシュフロー」です。
利回り、資産価値など物件の値打ちを測る指標は複数存在しますが、このキャッシュフローの多寡はどの物件に投資するか選定する段階では最重要と言える指標です。
一般的な意味では、すぐに使えるお金、具体的には現金や預金を指します。
これがプラスでないと年間の収支を組んだら黒字であっても、支払時点での資金の不足(ショート)により、倒産する企業さえあるのです。
企業活動とは少し意味合いが異なる
前述のとおり、企業活動においては、資金繰りが付かずに黒字倒産もあり得るため厳格に管理しています。
一方の不動産投資では、空室の発生等により金融機関への返済金が不足して自己資金を持ち出すケースはあっても、企業のように厳格に管理されることはありません。
不動産投資での使い方は、一般的には単に賃貸収入合計額と借入金や税金、修繕費などの諸経費の合計額の差額ととらえられます。
キャッシュフローの計算方法
キャッシュフローは、「家賃収入-(管理費+借入金元利返済金)=キャッシュフロー」という簡易な算式で算出されます。
差し引かれる管理費の項目は多く、建物の清掃費用、自動ドアなど設備のメンテナンス費用、管理運営会社へ支払うコスト、その他の修繕費以外にも、固定資産税などの税金が含まれますので、あらかじめどれくらい必要か把握しておかねばなりません。
ただ、細かい修繕費用はあらかじめ見積もることがむつかしいです。
そこで、概算で計算する際は比較的額が大きく正確にわかる項目の金額を足しあげたうえで、余裕をもって家賃収入の20パーセント等一定の割合を乗じて算出することになります。
実際に不動産運用を始めると、1ルームマンションよりも家族向けの物件の方が、賃貸料に比べて面積が広く、修繕費用が高くなるのですが、当初はそこまで厳密に計算しなくてもよいでしょう。
大きな影響を与える借入金の元利返済
管理費以上にキャッシュフローに大きな影響を与えるのは金融機関に支払う借入金の元本と利子の合計額で、これを如何に減らせるかが大きなカギを握ります。
対策の1つは、手元資金を厚くして借入金額を減らす事です。
第2に、低い金利で融資を受けることで、近年は低金利で借りられるので有利ではありますが、複数の金融機関と交渉して低い金利で貸してくれるとさらに有利になります。
第3の対策として、返済期間を長くするという方法があり、これにより月々の返済額を減少させてキャッシュフローを厚くする事が可能です。
この場合の問題点として、月々の返済額は少なくなる代わりに返済期間が長くなり、金融機関への支払総額は多額となるというデメリットも存在します。
Comments are closed.